ヌコシ君の命日 [雑感]
昨日の6月1日は生まれながらに母子感染でHIV患者のヌコシくんの5周忌であった。享年12歳。
偶然、リーダーズダイジェストの去年の7月号をめくっていた時、ヌコシくんの記事が目に飛び込んできた。南アフリカではエイズ患者やHIV患者は忌み嫌われ、職場や住み家さえ追われ、時には襲撃を受け命を失うこともあるそうだ。そんな中、ヌコシくんは決して金持ちではない中流のある白人女性のゲイルさんに引き取られた。それはいわゆる養子縁組ではなく、エイズで余命のない弱り果てたお母さんでは育てられないためである。ヌコシくんのストーリーは胸が締め付けられる。
「大人になりたかった。お母さんは大人になって死んだんだ」という言葉。マスコミにも取り上げられるようになって、ようやく学校にも通えるようになったことをゲイルさんがヌコシくんに伝えたとき、満面の笑顔で喜んでいたという。ゲイルさんによれば、ヌコシくんはいたずら好きで、どこにでもいる普通の子供だったという。
死の約1年前、エイズ会議でのヌコシくんのスピーチは世界中のテレビに映った。「みんな、同じなんだ」というヌコシくんの訴えはヌコシくんの直前でスピーチした南アフリカのムベキ大統領とは対照的だった。ムベキ大統領は無意識か意識的かは分からないが、エイズに対する認識が低く、ムベキのスピーチは会場からは冷淡にあしらわれた。ヌコシのスピーチでは会場の参加者は総立ち、大拍手が起きた。
ヌコシくんが存命なとき、すでに私は仕事を始めていたんだな。私は大人にまで成長できたんだな。周りにも恵まれ、差別を受けることなく生きてこられたんだな。そう思うとヌコシくんの生き抜こうとした姿から少しでも学ばないといけないな、と思い、6月1日を過ごした。
いま、国際エイズ会議が5月31日から3日間行われているが、先進国の約束の不履行で国連のエイズ関連組織が機能不全に陥っているとの報告がされている。特にアフリカ諸国のエイズ禍はひどく、猶予の余地がないと切実な訴えをしているが、日本国内でのエイズ報道は一過性のもので、おそらくこのまま関心を呼ばないまま会議は終了してしまうのだろう。
先進国で唯一HIV感染者が増加しているのが日本ということを何かで読んだことがある
たしかにHIVに感染するなんて正直ない
と思っている
そんな教育しか受けていないツケなのだろうか
平和ボケというのか
これは行政が本気で取り組んでくれないと
えらいことになってしまう
by (2006-06-02 17:05)
日本の報道は頼りないですよね。風俗嬢とかのエイズのリアルな話とか聞けば、怖くて風俗なんか行けなくなるはずなんですけどね。
by ジョー・N (2006-06-30 10:43)