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テロの恐怖と核の恐怖 [ニュース]

 イギリスのテロ未遂。いまだに全貌が見えない。今回のテロ未遂は犠牲者が0にも関わらず私にとって非常に不快感の残る事件だ。イラク情勢に明るい展望が見えない中、テポドンの射程距離が拡大し、レバノンのヒズボラがイラン提供のロケットランチャーを使って無尽蔵にイスラエルに打ち込んでいる現状は前世紀の冷戦時代に感じた閉塞感を思い出させる。
 ジンワリと微熱が続いてねっとりとした汗がひたいに滲むような不快感とでもいうのだろうか。テロ組織が簡単に原爆を製造できる時代がもう目前に迫っている。

 そんなことを考えていたら、映画「太陽を盗んだ男」を思い出した。邦画とは思えない破天荒なストーリー展開で私の中でいまだに強烈なインパクトが残っている。

太陽を盗んだ男

太陽を盗んだ男

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2006/06/23
  • メディア: DVD


 授業中は覇気がないが、実はイカれた中学教師を沢田研二が好演。この主人公が滑稽なくらいに簡単にプルトニウムを強奪。そして自宅で原爆を製造するのだ。原爆をたてに国家を揺さぶるが、その要求が実に稚拙。ナイター中継を最後までさせろ、だの。ローリングストーンズを日本に呼べ、だの。そんな中で菅原文太の演じるたたき上げのベテラン刑事が挑む。脅迫電話を契機に人気ディスクジョッキー(池上季実子)と恋愛にまで発展していくが、実直な刑事が徐々に主人公を追いつめる過程で壮絶な事故死。原爆症で髪が抜けていき、恋人も死んでしまい、半ば自暴自棄になった主人公が正義に燃える刑事との対決で力に勝る刑事に負けそうになるが、奇跡的に主人公だけが生き残る。そして、ラストでは東京に原爆が炸裂した思わせる映像が流れる。
 プルトニウムの強奪が現実に起きたらどうなるんだろうという底知れぬ恐怖感が破天荒な映画にリアリティを与えているという、何か未来を暗示する黙示録的な映画である。

バック・トゥ・ザ・フューチャー

バック・トゥ・ザ・フューチャー

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2006/04/01
  • メディア: DVD


 プルトニウムの強奪と言えば、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でも重要なファクターとしてストーリー冒頭に出てくる。リビア人テロリストがドクに原爆を作らせる目的でプルトニウムを盗み出すが、ドクはそんなつもりはなく、タイムマシンで必要とされる電力源にしてしまう。そんな訳でドクはリビア人に嘘がばれて銃殺されてしまう。(その後、主人公のマーティーが過去をいじくったためにドクは将来自分に起きることを知っていて防弾チョッキを着て死なずに済む)1985年の設定でこの時点でもプルトニウムに対する親近感は庶民にはないし、2006年の今もとりあえずない。

 しかし、ソ連崩壊のドサクサでロシアやウクライナからかなりの数の核物質が海外に流れたとの情報があり、テロ組織に核物質が渡っている可能性は否定できない。イランでさえまだ核兵器製造技術は持っていないので、あと10年くらいは安心だが。しかし、この10年で欧米+イスラエルとイスラム世界との対立構造を終わらせなければ、我々はまた核の恐怖に怯える生活を送らなければならない。

長崎市長の今年の平和宣言を我々はもっと真面目に受け取り被爆国として核戦争のナンセンスを訴えていかなければならない。


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響(きょう)

悲しみに終わりはこないのでしょうか。
by 響(きょう) (2006-08-11 19:10) 

ジョー・N

響(きょう) さんへ

悲しみの終わり・・・。悲しい思いをしている時間って無限と思えるくらい長く感じるんですよね。原爆病は現代で医学では治せないですから、核兵器などは開発すること自体、頭がいかれた行為だと思います。
by ジョー・N (2006-09-03 17:03) 

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