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6か国協議の誤った観測 [ニュース]

 6か国協議の報道を見ていると腹立たしくなった。日本だけがかやの外に置かれる状況になりかねないと、まるで日本外交が拙いかのような報道を民放テレビ局は繰り返した。普段から極東情勢をウォッチングなどしてないから素人考えを恥ずかしげもなく露呈してしまう。
 6か国協議はとりあえず北朝鮮の核施設の稼動を止めること、核専門家の視察と引き替えにエネルギーを提供することで合意した。核の脅威はひとまず収束の方向を示した。しかし、核兵器を手放すと言明したわけではない。キム・ジョンイルはそんなに甘くない。いつでもキャンセルするカードを切ってくるだろう。
 
 キム・ジョンイル死亡後のシナリオは各国ともに研究していることだろう。メタボリックでいつ死んでもおかしくないキム・ジョンイルが死期を悟って子孫のためにもがいているのだ。北朝鮮は崩壊の瀬戸際にいる。しかし、隣国は崩壊後の情勢に対して何ら有効な手だてを用意してはいない。

 いま北朝鮮が崩壊して困るのは韓国と中国、そしてロシアだ。北朝鮮の経済回復を望んでいるわけでもないが、崩壊されたら難民が押し寄せるのは間違いない。東西ドイツの統一で苦しんだ姿を見ている韓国の国民には北朝鮮との統一は避けたいのが本音だ。韓国の若い世代は北朝鮮に対する恐怖感が低く、北朝鮮に同情的なのが怖い。ネットを通して泡沫候補に過ぎなかったノ・ムヒョンを大統領に押し上げた若者パワーそのものは評価する。しかし、人を見る目や政治への理解が幼すぎたため、韓国政治は漂流状態に置かれている。今回の6か国協議では一番何をしたいのか見えないのが韓国だった。
 中国は北朝鮮に対する力を保持していたいという思いはとっくに失っている。偽札作りという国家犯罪が中国元にまで及んだことを知ったとき、中国は北朝鮮を見切ったのだろう。中国にとっては脱北者よりも難民が厄介だ。
 ロシアにとっては精度の低いミサイルが誤ってロシアに落ちることも怖いが、北朝鮮の難民を面倒を見られるほど極東地域は経済に恵まれていない。とりあえずアメリカに与するよりはカードを保留しておく方がいい、とロシアは考えているだろう。ソ連崩壊後、アメリカにいじめ抜かれたロシアのアメリカに対する不信感は根強いものがある。
 海を隔てた日本は一番被害が少ないだろう。拉致を除けば日本には資源のない北朝鮮への関心も特別ない。
 ブッシュ政権はイラク戦争の次の戦争相手をイランとにらんでいる。北朝鮮との交渉は早々と済ませてテヘランにミサイルを早く撃ち込みたい。

 それぞれの国益を考えれば、日本が孤立とか、そういう話ではないのだ。各国の立場や温度差はあって当たり前である。結論的に日本が孤立したとしても、日本が面子を潰されたわけでも国益を失ったわけでもない。時間が無くて困っているのは北朝鮮なのだ。
 日本が今後すべきなのは日本と韓国の拉致家族を連携させ、日本政府と韓国政府が共同で拉致被害者の返還を強く求めることである。残念ながら韓国のノ・ムヒョン大統領は人格、政治力ともに欠けた人物だ。次期大統領には安倍総理大臣は早々に首脳同士の友好を築いてもらいたい。


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