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ロシアのベテラン記者の怪死 [ニュース]

 
 ロシアの有力紙「コメルサント」のイワン・サフロノフ記者がモスクワの自宅(2階)のある高層住宅のそばで遺体となって発見された。5階と6階の踊り場から転落死したと思われている。日本をはじめ西側の新聞は色めき立って「弾圧だ!」とか「ロシアには言論の自由がない!」とか書き立てている。しかし、記者の勤めていた「コメルサント」紙では、あらゆる仮説は排除していないこと、つまり自殺もあり得る立場をとっていることだけは忘れてはならないポイントだ。たしかに家族や友人、同僚などはサフロノフ記者が自殺する動機に心当たりがないことも紹介している。また、体に残る負傷箇所は飛び降りによるもの以外は認められない、との専門家の分析も掲載されている。また、殺人事件であれば隣人が騒音や叫び声に気づいてもおかしくないのにそうした証言をする人が誰も現れないことである。また、飛び降り現場にはサフロノフ以外の靴跡や争った形跡などの証拠が何もないことである。「タミフル」ではないが、何か薬を投薬されて自殺したくなる心理にさせられたなど、という仮説も取り上げていたが、これには賛同していないようだ。自殺する動機もなく、他殺を証明するだけの証拠も全くない、全てが謎だと結論づけているのである。
 ただ、コメルサント紙による中東に向けた武器輸出のスキャンダル記事の発覚を恐れたロシアのスパイ組織による暗殺説などは完全にお笑いぐさだ。なぜ、そんな野暮なことで殺さなければならないだろうのだろうか。プーチン大統領がみずから中東に行って武器をセールスしているのだから、スキャンダルの種にもならないだろう。
 
 煽るだけ煽る西側の論調に比べ、真相に近い場所にいるコメルサント紙が落ち着いた論調である間は「疑わしきは罰せず」の立場で私はいたい。確かにロシアのマスコミが自由に報道できるような環境にないことは事実である。目に見えない迫害と戦いながらロシアの記者は頑張っているのも事実である。だからといって何かとロシアをプーチンを色眼鏡で見るのはソ連を色眼鏡で見てロシア人の実態を誤解していた時と全く変わらないではないか。

ロシア記者また不審死 兵器の違法輸出を追及 (Sankei WEB)
コメルサント紙(英語記事)


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