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鈍感力、なかなか良い言葉だ [ニュース]


政治は「鈍感力」 安倍政権に小泉氏助言 支持率「気にするな」(北海道新聞) 「目先のことに鈍感になれ」。小泉純一郎前首相は二十日の衆院本会議前、国会内で塩崎恭久官房長官や自民党の中川秀直幹事長らと懇談し、政権や党の運営には、内閣支持率の動向に左右されない「鈍感力が大事だ」と助言した。

  小泉前首相のアドバイス、中々いいな、と思った。今の世の中、いろんなことで気に病んでいる人が多いから、そうした人たちにも救いの言葉になっただろう。元は渡辺淳一氏「鈍感力」から来ているようである。

鈍感力

鈍感力

  • 作者: 渡辺 淳一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 単行本


 たしかに人生生きていく上で鈍感力は必要だと思う。人間として繊細な気持ちを持つことは大事だ。細やかな気持ちで配慮をすること自体は悪いことではない。学生時代、サークルでリーダーになりたがるが、実際に役職に就くと、まったく動かず人目に付くところではデカイ顔をする人たちばかりだった。そういうのが嫌いで態度を露骨に出していたし、不正は見逃さなかった。そのお陰で孤立もした。神経過敏な人間はたいてい孤立したときなどで精神に異常を来してうつ病になったりする。孤立すると自分の方が間違っているのかもしれないなどと考え出すからだ。私は幸運なことに話を聞いてくれる仲間が少なからずいたので助かった。「お前はいろんな事に気づき過ぎちゃうんだよなあ」と言った友人の言葉が今も忘れられない。このとき、鈍感であることがどれだけ気楽かということをうらやましく感じたものである。この後、社会人になっていろんなことに目をつむる技術とを覚えた。今考えれば、それが「鈍感力」なのだろう。

 世の中はえてして自分が世界の中心だと思っているものだ。自分が大した人物でなくても、それぞれいっぱしの正義感は持っている。そのくせ自分の欠点には甘いものだ。まさか自分でやっていることが嫉妬心から来る中傷だとは思わずに平気で嫌がらせをする。それにはどんな自分勝手な話でも本人なりの正当な理由があるから困ったもんだ。
 マスコミは政治家の弱みを見つけると自らの前言を平気で翻して攻撃してくる。こんな奴らはまともに相手にしない方がいいのだ。小泉前首相はそんなマスコミが飛びつきやすいネタを自ら仕込んで逆利用した頭のいい政治家であった。小泉も生まれつき鈍感であったわけではないだろう。毀誉褒貶の政治の世界を生き抜く中で、自然と身につけたものだと思う。
 日本人は腹芸や寝業、根回しを得意とする。時代が変わっても今の若者でさえ年上の世代の苦言や小言を交わすときに本能的にこれらを使っている。子供達の世界でも、教師や親にはいい顔をしておいて、同級生や下級生へのいじめを要領よくやるなんてのは「腹芸」だ。ちくられないように同級生への「根回し」をする。他人を出し抜いてのうのうと生きていく生理的に図太い人間は一生涯うつ病や精神病とは無縁である。

 このような社会にあって、図太い人間に自分の人生を振り回されないために「鈍感力」はぜひ身につけたいものである。


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小沢民主党でもダメなのではないか? [ニュース]


「忠誠心なき閣僚去れ」と苦言 の魅力あふれるタイトルに惹かれ記事を読んだが、たいしたことは書いてません。安倍政権の足並みの乱れに関するネタを読んでも、何を今さらです。しかし、たまたま発見した自民党の中川秀直幹事長の公式サイトがなかなか面白かった。中川さん、どうやら毎日コラムを書き続けているそうで、元新聞記者としての辣腕を見事に発揮されている点は非常に頼もしい限りです。愛人スキャンダルやらで生理的にはまったく受け付けなかった人ですが、少々見方が変わりました。

 それで何が面白かったか、というと「なぜ小沢は迫力に欠けるのか? なぜ自民党を追い詰めることが出来ないか」を中川さんがずばっと指摘しているからなんですね。私は小沢一郎には期待しておりました。また、私の知人には小沢一郎と仲のいい民主党の強烈な支持者もおります。歯切れがよく、単刀直入に真相をずばりとつくコメントが魅力的だった小沢さん。最近の小沢さんの精彩のなさを見るにつけ、どうしてしまったんだと思っている人も少なくないと思います。
(民主党)なぜ小沢氏は論戦から逃げるのかのコラムにそこのところが書かれています。要は小沢自身の「政治とカネ」問題と「格差問題」対策の提示という2点を小沢民主党はクリアできないと踏んでいるんですね。小沢自身が抱えているカネのスキャンダル。そして、国会で政府攻撃に利用した
格差問題」のネタがデマだったことで、小沢が強く出れば与党から逆襲を食らうのは明らかだ、と中川さんは指摘するわけです。これで私も納得いきました。小沢さんの元気がない理由が。でも最大野党が元気がないのは日本政治において本当に不幸なことです。安倍じゃダメだから民主党っていう選択肢がないのはつらいです。

 で、タイトルにつけた話ですが小沢民主党ではこのままでは今年の参議院選挙は勝てないのではないか、という気がしてきました。というか全然関係ない人たち、特にわれわれの世代が自民とも民主とも決別し新たな政党を立ち上げたほうがよっぽど話が早いんではないかと多少ユートピアっぽい観点から考えてしまいます。

 


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躾けられなかった横綱の悲劇 [雑感]


 朝青龍は横綱としての最高位にありながら品性を欠いているがために日本の年長者から嫌われる傾向にある。親方らの苦言を文句としか受け取れないためである。
 まず相手の攻めを受けて尚かつ勝利するという過酷な条件が課されるのが横綱だが、朝青龍はまったくこの条件に違反している。横綱にあるまじき顔面への張り手など取り口はとにかく汚い。横綱相撲を取ろうとしない朝青龍の記録を歴代の横綱と比較するのは全くナンセンスだ。体の小さい朝青龍に横綱相撲を強いるのは酷かもしれない。しかし、横綱とは本来そういうものなのである。朝青龍がいくら優勝記録を伸ばしても大きな称賛が起きないのはこのためである。
 相撲に八百長があるのははるか昔からの暗黙の常識だ。イギリスのブックメーカーが相撲の勝敗を賭けの対象にしないのは八百長であることを知っているからだ。しかし、これまで八百長報道があっても無視を決め込んできたのに今回マスコミ報道に過剰に反応したのはなぜか? 角界が朝青龍の品格のなさに耐えきれなくなり、朝青龍おろしが始まったのではないか。なぜオレの時だけ守ってくれないのか、と朝青龍は裏切られた気持ちだろう。角界は表面上は朝青龍の味方をしているが、実は事情聴取をするなどの嫌がらせで本人の相撲に対するやる気を失わせ、自主的な引退を早めようとしているのではないかと私は思っている。
 曙や武蔵丸は角界の風習に忍従して、外国人には横綱は務まらないといった誤解を解いた。私は曙や武蔵丸には親近感を抱くが朝青龍にはまったくそのような気持ちを抱く気にはなれない。
 大柄な外国人が増え単調な押し相撲が増えた。背が劣る日本人は技に磨きをかける努力をせずに安易に体重を増やす傾向にあった。モンゴル人は逆にモンゴル相撲の良さを生かし、頭を使って体のバランスに配慮して相手を倒す知恵を最大限に生かしている。私はモンゴル人の相撲は決して嫌いではない。
 技の多彩だった貴乃花は横綱になって横綱相撲を意識し、寄り切り以外の自らの技をほとんど封じてしまった。自らの動きを封印する見返りに彼は体重を増やさざるを得なかった。貴乃花が意外に短命だったのは体重増による膝への過大な負担だった。時代の変わり目の痛みを一手に引き受けた悲劇の力士だった。横綱の品格を背負った代償だった。
 角界が今後、相撲をスポーツライクな方向性にしてしまうなら、それはそれでいいと私は思っている。しかし、一方で横綱相撲をしない横綱に対するペナルティー制度のようなものもあっていいような気がする。これまでそういうところをあいまいにぼやかした形で横綱相撲は存在したが、外国人が多数いる現在、明文化・ルール化は避けて通れないと私は思う。横綱相撲を躾けなかった親方の責任も重いが、時代の波について行けてない角界にも歯がゆさを感じる。


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また流出したロシア軍のモラルハザード報道 [ニュース]


BBCニュース「性の対象にされたロシア兵」(英語)

 BBCニュースでは、ペテルブルクで先輩の兵士から男娼を強要された兵士についてロシア軍が調査を開始したことについての記事が掲載されている。内務省は当然ながら事実を否定している。今回の件がどこまでの広がりを見せるのか、私は個人的には懐疑的に見ている。BBCニュースには今回の件で動いているNGOグループ「ロシア兵士の母委員会」の背景について記載はないが、チェチェン戦争に反対してきた団体である。このようなグループの動きをプーチン大統領は快く思うわけがない。時間が経過し、関心が失われた段階で暴露した兵士は事故死という形で消される可能性も低くない。ロシアというところは住みにくい国である。

 ロシア軍の道徳観の喪失はソ連時代から続く積年の問題である。先輩の兵士が後輩に屈辱的な要求を強いたり、体罰するのは日常である。戦死よりもイジメが原因で事故死や自殺の割合が高いのがロシア軍の特徴である。あまりにも日常的な問題でロシア人の生活習慣の中に染み込んでしまっているので、ロシア国内でいじめによる新兵の死亡事故があっても取り立てて騒がれることはない。イジメのレベルが日本とロシアでは大きな差があり、日本のイジメはまだ大したことがないように思えてしまう。昨年、自宅前で殺害された女性ジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤはロシア兵の置かれた状況を自著で暴露していたが、ロシア国内よりも国外への衝撃は大きかったと思う。その分、兵役の年齢に達した場合、家族は何とか徴兵を逃れようとあらゆる工作をする。身体検査で目や耳が聞こえないふりをするのは勿論、しばらく雲隠れさせて失踪したことにしてしまうことにすることもある。親が権力者である場合は幸運だ。手出しが出来ないので、兵役の間、つつがない生活を送ることが出来る。

 我々の隣国ロシアがそのような状況であることは知っていて損はないだろう。私が見るにロシアでは少年時代まで繊細だった人間ががさつ者になって帰ってくるのは軍隊の影響が大である。日本で出会うがさつなロシア人男性はおしなべてロシア軍の中でもまれてきたのだろう、と同情してあげてほしい。
 ロシア軍のモラル改革はロシア国内で大きな声では言えないが、ロシア国民にとって切なる願いなのである。

関連記事ノーバヤ・ガゼータ紙(ロシア語)
テレビ局NTN(ロシア語)
モスコフスキー・コムソモーレツ紙(ロシア語)

プーチニズム 報道されないロシアの現実

プーチニズム 報道されないロシアの現実

  • 作者: アンナ・ポリトコフスカヤ
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2005/06/25
  • メディア: 単行本

チェチェン やめられない戦争

チェチェン やめられない戦争

  • 作者: アンナ・ポリトコフスカヤ
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2004/08/25
  • メディア: 単行本


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安倍さん、自力で難局を乗り越えろ [ニュース]

 当初、マスコミから政界のプリンスともてはやされた安倍晋三総理大臣。組閣人事のやり方を小泉純一郎から伝授されたにもかかわらず、安倍さんは用いなかった。オレ流で党内をまとめ上げてみせるとの気負いもあったのだろう。ぶっ壊したはずの旧自民党体質丸出しの論功行賞の人事を内外にさらけ出してしまった。小泉さんも苦笑いせざるを得ないだろう。
 安倍さんは現在の逆境をどのように乗り越えるだろうか? 私は今回の試練を通して安倍さんが人間的に成長すれば何とかなるのではと思いたい。これまでの人生でこれというほどの波乱を経験してこなかった分、いま成長してもらう他はない。一皮むけるか、それとも現状のままじり貧で行くか。道は二つに一つだ。

 生まれてこの方、小学校から大学まで学級委員とかクラブの部長とかと縁の無かった安倍さんに求心力やサバイバル能力は身に付かなかったのは当然である。戦後、歴代の総理大臣は一流大卒の秀才か、田中角栄のような叩き上げか、どちらかであった。安倍さんのように留学経験はあっても言葉は悪いが決して一流とは言えない大学を卒業した平凡な人間が血筋だけで総理になったのはきわめて実はきわめて珍しいのだ。

 安倍さんは国会答弁や委員会の答弁で分かるとおり、まったくアドリブがきかない人である。今の安倍さんは日本を牽引するリーダーではない。ただのお飾りである。このお飾りをうまくコントロールするのが側近の役割だ。しかし、裏方がまったく機能しているように見えない。安倍さんの信頼する側近は誰か? 塩崎官房長官だろうか? 世耕弘成首相補佐官だろうか? テレビに出まくりの山本一太議員だろうか? 安倍さんは今ほどこれらの側近を頼りなく感じている時はないだろう。

 財政の危機、教育の危機、人間規範の危機を迎えている日本の指導者としては安倍さんは上品に過ぎる。もっと泥臭い生き方で底辺を知り尽くした人間が求められているのに、政界はいつものんびりで、結局我々の生活には無関心だ。


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